塗装工事の基礎知識

塗装工事基礎知識

プロが教える外壁塗装工事のポイント

塗装工事が必要な理由

建物の美観性を保つ(家をキレイにする)

屋根や外壁は常に雨風や日光にさらされているため、年月とともに色褪せやくすみ、ひび割れやカビ・苔が発生し、美観が損なわれます。
屋根塗装、外壁塗装を行うことで、家は新築時のような美しさを取り戻せます。
また塗装する際、これまでと異なる色の塗料を選べば、家がキレイになるだけでなく、家のイメージチェンジを図ることも可能です。

雨風や紫外線からの保護

屋根塗装、外壁塗装の塗膜は建物を守るバリアーの役目を果たしています。
塗装後にできる、塗膜と呼ばれる塗料の膜が鎧となって、建物の構造部への浸水を防ぎ、紫外線の影響を最小限に食い止めます。
もし、ひび割れやコーキングの劣化などを防水機能が無くなったまま放置し、塗装をしなければ、建物の構造部へ浸水し、梁や柱の躯体を腐食させ、紫外線は劣化を誘発し、あっという間に家は寿命を迎えてしまうでしょう。

塗膜のチカラは永久的なものではなく、時間の経過とともに、少しずつ劣化は進行します。
目安としては約10~15年で本来の性能を発揮できなくなっていきます。
塗膜に家を守り続けてもらうためには、適切な時期に適切なメンテナンスを行うことが、定期的な塗り替えが必要です。

機能性の付加(防水・防カビ等)

塗装時に機能性のある塗料を選べば、塗装することで、家はさらに住みやすく、快適になります。
最近では様々な機能性を持った塗料が登場しており、屋根塗装・外壁塗装を行うメリットは更に大きくなっています

■高熱費がダウンする断熱・遮熱塗装
■自然の力で汚れを落とす光触媒塗料
■壁がひび割れても建物内部への水の浸入を防ぐことができる防水性能をもつ弾性塗料
■カビの発生を抑える防カビ塗料
 

以上のように塗料の機能は、「防水」「防カビ」「遮熱」「断熱」「低汚染」「セルフクリーニング」など、様々。
同じ性能でも各塗料メーカーによって実際の性能に違いがあるため、詳細な性能は塗料ごとに確認するのがオススメです。

外壁塗装工事・屋根塗装工事の概要

【1】足場・養生 塗装工事を安全に・効率的にすすめるための足場を組みます。
足場に飛散防止シートをかけ、ビニールやテープ、布を使って丁寧に周囲の養生をします。
近隣の家や車に塗料が付着することを防ぎます。
【2】高圧洗浄 高圧洗浄機を用いて、屋根や外壁の汚れやカビ、苔などを落としていきます。
【3】下地処理 ひび割れ補修、サビや脆弱塗膜の除去、欠損部の補修など。
しっかりと補修して塗料を塗る下地を整え、塗装できる状態にします。
【4】外壁塗装 下塗り・中塗り・上塗りと3回塗りします。
■下塗り:キレイに仕上げる、耐久性を担保するためには、下塗りが必須です。
下塗りの塗料にはサビ止め効果のあるものや、上塗り塗料の発色を良くするものなど、
さまざまな性能を持ち合わせたものがあります。
■中塗り:外壁塗装において非常に重要な塗装工程です。
中塗りの段階で凹凸等のない平らでなめらかな下地をつくっておくことで、
上塗りがキレイに塗れるため、より美しく仕上げることができます。
■上塗り:最終の塗装工程です。
塗料の性能を担保し、上塗りが見た目の美しさを大きく左右します。
また、仕上りの色は、上塗り塗料の色で決まります。手間は掛かりますが塗料の性能を最大限引き出します。
【5】軒天 軒天(のきてん)とは、屋根が外壁よりもせり出している「軒」の裏側部分のことを言います。
弊社では3回塗りを採用しています。
【6】破風板 破風板(はふいた)とは屋根の側面についている板のことを言います。
破風板は紫外線や風を受けやすいため、塗装などのメンテナンスが必要です。
【7】雨樋 雨樋は日や風がずっと当たり続け、さらに雨水が大量に流れる部分なので、基本的に塩化ビニール樹脂やガルバリウム鋼板など、強固な素材で作られていますが、必ず劣化します
雨樋の寿命は20~25年ほどと考えておきましょう。
【8】アフターフォロー 自社見積もり・自社施工だから出来る最長10年保証と安心アフターフォロー
5年、7年、10年のタイミングで無償点検をさせていただきます。
劣化を一早く見つけて、大規模な修繕工事を防ぐためにアフターフォローが重要となります。

塗り替え時期目安

外壁塗装は適切なタイミングで定期的におこなうことで、大事な家を長持ちさせることができます。
築10年で1回目の塗装」というのが一般的な目安ですが、それ以前でも、屋根や外壁でこんな症状が出ていたら塗り替えの時期です。

色褪せ・くすみ
外壁や屋根の色あせ・くすみが気になり始めたら。
以前よりも色が薄くなっている、色が褪(さ)めてしまった状態のことを「色褪せ」といいます。
色褪せは、外観が古く見えてしまうだけなく、塗料の膜である塗膜自体の防水性が低下してしまっているサインです。
チョーキング
手で外壁を触った時に、白い粉がついたら。
チョーキング現象は「白亜化現象」とも呼ばれ、外壁を指で触った時に白い粉がつくことをいいます。
白い粉の正体は、雨や紫外線によって塗料の中の合成樹脂が分解され、顔料が粉状になって塗装表面に現れたものです。
カビ・苔
外壁の変色の原因に。
コケの生えた外壁そのもののが劣化し、外壁が湿気を含みさらに劣化を進行させる。

カビはアレルゲンの一種なので、アレルギーを発症する可能性もあります。

コーキングの劣化
雨水が外壁内部に侵入する原因に。
一般論としてシールの寿命は通常5年~10年と言われており、新築から数年経ち、まず最初に傷みだすのがシーリング箇所です。
コーキングのメンテナンスを怠ると、屋根や外壁、部材と部材の取り合い部(境目)からの雨漏りリスクが高まり、家の柱などの重要な構造材を侵食するきっかけになります。

金属のさび
雨水が外壁内部に侵入する原因に。
外壁のサビには外壁の近くにある金属製のモノ(雨樋の金具等)に発生したサビが外壁に付着することで、もらいサビと外壁が金属製の場合に外壁が劣化して発生するサビと2種類あります。
サビを放置すると穴があき、家の柱などの重要な構造材を侵食するきっかけになります。
ひび割れ
主な原因は外壁塗装の経年劣化・施工不良・車や電車などの振動・地震・住まいの構造の問題などの5つ
0.3mm未満のひび割れ(ヘアークラック)であればひとまず経過観察でも問題ありません。
これ以上のひび割れは、、雨漏りが起こる可能性が高まるほか、カビやシロアリなどが発生してしまう可能性もあるので補修を検討しましょう。

塗料の違い

外壁塗装、屋根塗装に使用する塗料には樹脂や機能によって様々な種類があります。

代表的なウレタン塗料やシリコン塗料、また高い耐久性や独特の機能を持っている特殊塗料と呼ばれる、防水塗料(ピュアアクリル塗料)、フッ素塗料、無機塗料と特性も塗替期間も様々です。

塗料は高ければ良いというわけではありませんし、安易に安さで選ぶのもオススメしません

それぞれの塗料のメリット・デメリットを理解して、あなたのおうちの状態に一番あったものを使用するようにしましょう。

業者の選び方

塗装工事には、定価がほぼ存在せず、外壁の劣化は外から見えるため、飛び込み営業しやすいため、悪徳業者が多数存在します。
一般の方には塗装工事の品質は、明らかに色ムラがあったり、ひび割れがない限り判断できません。

信頼できる塗装業者を見抜くために

■劣化診断をせずに見積もりを出す業者には要注意
「現状の屋根や壁にどんな材質が使用されているか」「どんな劣化状況か」などを把握しないと、適切な工事をすることができません。
有資格者にしっかりと診断をしてもらい、現状の住宅の状態を理解した上で提案してもらえる業者を選びましょう。

 

■素人にも分かる言葉で劣化状況を説明してくれる業者
住宅の部位1つに関しても、「破風」や「鼻隠し」など専門用語の多い工事です。
住宅のイラストや写真を見せながら、「専門用語をなるべく使わず、素人にもわかりやすく説明してくれる業者を見つけましょう。
■「塗装面積」をしっかりと把握している業者
塗装面積とは、その名の通り「塗装をする部分の面積」のことです。
住宅を塗装する際に、玄関や窓、勝手口といったような塗装をしない部分もきちんと塗装面積から引かれているかを確認することが重要です。

■見積もりに「根拠」のある業者
「良い見積もり」なのか「悪い見積もり」なのかを見極めるためには、見積もりの金額以外にも確認すべき項目があります。
①使用する塗料の「塗料名」「メーカー名」を記載
②「塗料代(材料費)」と「工事代(施工費)」を別々に記載
③「塗装面積」と使用する塗料の「缶数」を記載

また、すべての工事内容をまとめて「一式」という表現で提示する業者もいます。
詳細が記載されず、内訳が分からない見積は要注意です。

■保証条件・瑕疵(かし)保険への加入
工事完了後の保証があるかどうか、施工不良があった場合はどこまで直してもらえるのか、どういったアフターフォローをしてくれるのか、といった点を確認することも非常に重要です。
塗装工事の保証には、塗料メーカーによる「メーカー保証」と、塗装業者の施工品質に関する「工事保証」と2種類あるので、詳細な内容についても確認しておきましょう。