冬の外壁塗装

塗装工事基礎知識

いよいよ冬本番。年末に向けてどんどん寒さが厳しくなっていきます。

年内のうちに外壁塗装をを検討していたが、そもそも冬に外壁塗装は可能なのか。
冬の塗装をしても乾きづらく工期が長引くのではないか。など、冬の外壁塗装に何となく「冬は不向きだ」というイメージを持っている人は少なくないのではないでしょうか。

結論から申しますと、いくつかの条件や、作業に制限がつくものの、冬でも外壁塗装をすることは可能です。この記事では冬場の外壁塗装における条件や制限を説明します。

冬場の外壁塗装の基準

冬場の外壁塗装には以下の4つ条件をクリアする必要があります。

・気温5℃以上
・湿度85%以下
・強風・降雨・降雪の天候でない 
・結露が発生していない

気温が5℃以下

外気温が5度を下回ると塗料が乾燥・硬化しにくくなってしまいます。そのような環境で、通常と同じ様にメーカーの定めた乾燥時間を経過したまま次の工程へ進んでしまうと、硬化不良のため塗膜が形成されても脆弱になってしまいます。

湿度が85%以下

湿度が85%以上は、空気中の水分が多いと塗装ができなかったり、塗料の乾燥が遅くなってしまいます。

強風・降雨・降雪の天候でない 

雪が降っていたり外壁に霜がついていたりすると、そもそも塗料が外壁に塗れない・塗っても流れ落ちてしまうため塗装できません。

結露が発生していない

上記同様に、塗料自体が流れ落ちてしまうため、塗装を行うことは出来ません。

上記の4つの条件クリアし、晴れの日が続くのであれば冬でも外壁塗装はできます。ただし、メーカーや塗料の種類によっても違うことはありますので、商品カタログの注意点を確認するようにしましょう。

冬場に外壁塗装を行うメリット

上記の記事でも紹介したように、冬場に外壁行うメリットもあります。

降雪地域以外は湿度が低くなり乾燥しやすい

梅雨や夏は湿気が多く、塗装の条件である85%を上回り、塗装が出来なくなってしまうこともあります。それに対して冬場は1月は最も低く58%では、空気中の湿度が低く乾燥しているため、塗料の乾きも良く、スムーズに工事を進めることができると言えます。

工事期間中、窓を閉めていても過ごしやすい

窓に塗料が付かないように「養生」という作業を行なうので窓の開閉が思い通りに出来なくなってしまいます。夏場なら暑くて大変ですが、冬であれば問題ありません。また冬は春~秋よりも窓の開閉が減るので、塗料の臭いが室内に入りにくく、近隣の方も同じく窓を開ける機会が減るので塗料の臭いなどで迷惑をかけずに済みます。

また、外壁塗装をする際は、窓に塗料が付かないように「養生」という作業を行なうので窓の開閉が思い通りに出来なくなってしまいます。

費用が安くなる可能性がある

冬場はどの業者も閑散期で工事数が減る為、キャンペーンや割引をする場合が多いので、良い塗料を破格の金額で工事をするチャンスです。

冬場の外壁塗装の注意点

日照時間が短いので作業効率が落ちてしまう

冬場は日が落ちるのが早く作業時間が短くなってしまうため、作業効率が落ちてしまいます。大幅に工期が延びることはありませんが、1、2日作業日が増えてしまうことを念頭に入れておきましょう。

艶引きしてしまう
艶引き(光沢不足)…塗面が曇ったり、ぼけたりして、つやの足りない状態。塗料の艶が引いてムラのように見える。

艶引けが発生する原因は非常に多岐に渡ります。そのうちのひとつとして、気温が低すぎる場合(5℃未満の場合)や、湿度が高すぎる場合に、塗装した直後(乾燥していない状態)で雨が降ってしまった場合などに艶引けが起こる可能性があります。
冬場の夕方に霜の発生した屋根の塗装をしてしまうと、艶引きをしてしまう可能性があります。塗装をすると塗料が冷えてしまって曇ったような状態になってしまいます。知識や経験がない職人だと艶引きを起こしてしまいやすくなり、さらに悪徳業者だと艶引きしてしまったまま塗り直さずにそのままにしてしまいます。

さいごに

塗装には不向きだと思える冬でも条件さえしっかりと理解し抑えていれば外壁塗装は可能です。他の季節同様に良い点も注意点もあります。しかし、どんな季節に工事したとしても、職人の腕が悪かったら意味がありません。

つまりは、いつ外壁塗装を行うかより、どの業者で外壁塗装を依頼するのかを重視して、業者選びをしていただけたらと思います。対応や作業が丁寧な業者を見極めて、満足のいく塗装を行いましょう。